九州大学 整形外科学教室
九州大学大学院医学研究院臨床医学部門
外科学講座整形外科学分野

留学だより
スタンフォード留学を終えて

Department of Orthopaedic Surgery, Stanford University

 

平成18年卒・20年入局の鍋島 央と申します。2015年4月~2017年3月の2年間スタンフォード大学整形外科のGoodman Labに留学させていただいきました。今回簡単ではありますが留学生活がどうようなものであったか紹介させていただきます。

 

スタンフォード大学はサンフランシスコとサンノゼの中間あたり、いわゆるシリコンバレーにある広大すぎる大学です(敷地面積 スタンフォード大学:33.1km2、 福岡市博多区:31.2 km2)。教会やフーバータワー、美術館、スタジアムなども構内にあります。近くにFacebookやGoogle、HPなどIT大手企業の本社がありものすごく都会のようなイメージがあると思いますが、実際は自然がいっぱいで、至る所に公園や大きな木があります。またゴルフ場が大学敷地内通勤路沿いにあるのでゴルファーにとって誘惑の多い環境です(ちなみにポスドクは学生料金の$25でラウンドできます)。気候は夏が乾期、冬が雨期となっています。夏は毎日晴れ、日差しが強いので日中は暑いのですが湿気がないので蒸し暑くなく日陰は涼しく、さらに蚊が全くいないので屋外でも快適です。朝晩は夏でも冷え込むので外出時は羽織るものが必要になります。11月~3月頃にかけて雨が降りますが、土砂降りになることはまれです。冬は寒いのですが雪が降るほどではなく、一年を通して過ごしやすい気候です。

Stanford University Main Quad正面:2016年は創立125周年でした

 

ラボ・研究

スタンフォード整形外科と九大整形外科の繋がりは長く、私で12代目のポスドクです。私の所属していたGoodman LabにはProf. Goodmanをはじめ、ラボマネージャー1人、ポスドク3人、医学部生2人がいました。私のラボでの主な研究テーマはマクロファージの制御による人工関節周囲Osteolysisの抑制、骨形成における間葉系幹細胞とマクロファージの相互作用の解析でした。またエンジニア系のラボとコラボして新規3D Scaffoldの開発に関わったりもしていました。英語には最後まで苦労しましたが、うまくしゃべれなくてもどうにかするという変な度胸だけはつきました。

ORSにてラボのメンバーと: 写真一番右がProf. Stuart Goodman

 

生活

スタンフォード大学から車で15分ほどのLos Altosというところに住んでいました。閑静な高級住宅地であり、豪邸を眺めながら散歩するのが心地よかったです。アパート自体は古く、家賃もかなり高いのですが、学校・ダウンタウン・公園・図書館が徒歩圏内と立地は最高かつアメリカとは思えないほど治安が良いです。近くに日本食スーパーもあり、買い物にも困りませんでした。同じアパートには日本・韓国・中国・ロシア・エジプト・ノルウェーなどの家族が住んでいて国際色豊かであり、子供が計15人ほどいるため、放課後もずっといっしょに遊んでいるので子供たちにとっても最高な環境でした。

 

日本人コミュニティー

スタンフォード大学およびベイエリアにはたくさんの日本人が在籍しております。PostdocやVisiting scholarとして留学してきている医師は日本各地・多科にわたっています。また、メディカルだけでなく他の分野の研究で来られている方や、ビジネススクールで経済・起業・IT・投資を勉強されている日本人も多数います。様々な日本人コミュニティー団体があり、定期的に交流会があるので参加すると異業種の方たちと知り合え、おもしろい話を聞けます。スタンフォード整形外科だけでなくUCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)の日本人整形外科医やベイエリアで勤務されているPT・アスリートトレーナーの方々と定期的に勉強会(+飲み会・BBQ)も行っておりお互い刺激しあっております。

 

ゴルフ

アメリカはやはりゴルフ天国です。日本との一番の違いはその敷居の低さ、手軽さだと思います。ゴルフ場の数も多く、スタンフォード周辺だと車で30分以内のところにパブリックコースが4か所ほどあります。もちろんスタンフォード大学のゴルフコースが一番の近場です。スルーが基本なので時間も日本ほどかかりませんし、こちらの人のプレー自体が早いです。一人プレーも可能ですが、多くは他の人と同組になりラウンドすることになります。常連のおじさんと同組になったりすると狙いどころを教えてくれたりするので助かります。夏の間は夜8時30分まではボールが見えるので、6時頃からのラウンドでもハーフは回れます。ただ、日本のゴルフコースほど距離表示が親切ではないので距離測定器かスマホのアプリが必須です。また、ゴルフコースと敷地外との境界にあまり柵やネットがなく、交通量の多い道路や民家に打ち込んでしまう危険性大です。訴訟大国のアメリカにおいて、この場合はどの保険が適応されるのか気になるところです。

Pebble Beach Golf Links 7番ホールグリーン

 

国立公園

雄大な自然はアメリカの大きな魅力の一つです。アウトドア大国なので、至る所にトレッキングやキャンプ場があり、多くの人が思い思いにその自然を楽しんでいます。中でも国立公園はそれぞれが素晴らしい景観・個性を有しており、また主な見どころはだいたいベビーカーでも行けるように整備されていますし、宿泊施設等も思っている以上にしっかりしているので子連れでも気軽に行けちゃいます。幸い、西側に国立公園が集中しているので車で行けるところは行ってみよう!という気分になり、夏休みにはイエローストーン国立公園周辺(片道1000マイル(1600km およそ福岡-青森間)、合計3000マイル走行)、サンクスギビングにはグランドサークル周遊(合計2500マイル)してきました。確実に距離感覚がおかしくなっていますが、意外と運転大丈夫というのが感想です。

道路を横切るバイソン(Lamar Valley, Yellowstone National Park )

 

最後に

留学することによって異なる国・文化・宗教・職業と人々と触れ合うことができ、今まで当たり前と思っていたものが実は限定的なものだったのだと痛感させられました。その多様性を尊重し認めることがいかに大事かということを自分も妻・子供たちも肌で感じることができました。様々な苦労もありましたが、大きなトラブルなく非常に充実した2年間であり、家族全員留学してよかったと思っています。このような経験ができる貴重な時間をいただき本当に感謝しております。