九州大学 整形外科学教室
九州大学大学院医学研究院臨床医学部門
外科学講座整形外科学分野

留学だより
ロサンゼルス留学便り

留学先機関名:Department of Integrative Biology & Physiology, University of California, Los Angeles

氏名:小早川 和

 

平成18年卒の小早川 和と申します。2017年4月より2018年6月までカリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) に留学いたしましたので、ご報告させて頂きます。UCLAは、大陸を横断するRoute66の西端としても有名なサンタモニカビーチと高級住宅街ビバリーヒルズの間に位置し、ほぼ一年中温暖な気候で大変過ごしやすい場所です。私の指導者V. Reggie Edgerton教授はUCLAでDirector及びDistinguished Professorとして脊髄損傷に対するトレーニングや硬膜外電気刺激療法を研究しています。私は教授のご指導のもとでこのトレーニングや硬膜外電気刺激が損傷後の脊髄に与える影響を、RNAシークエンスと組織学的手法を用いて解析しました。研究チームは実験全般のマネジメントと手術担当のHui, 実験のサポートをしてくれる院生のKyleigh, 大学生のNina, Emilie, Nicole, Meghna, Alyssa、電気刺激装置作成担当のRebeccaと自分、さらに日本から新たに留学された同門の原正光先生を含めた総勢10名となりました。協力してくれた皆様のおかげで、せき損後のリハビリテーションが脊髄のシナプス回路の再構築を促すメカニズムの一端を突き止める事ができました。解析結果の一部を帰国までにサブミットし、この原稿を書いている8月時点ではEdgerton先生と原先生へメールでやり取りしてリバイスを行なっています。

 

写真1. 左:私の研究チームに入ってくれた学生達とスタッフのHuiと原先生。中:研究の興味が似ていて、よく議論を交わしたKyleigh。私の滞在中、実験を強力にサポートしてくれました。M.D.,Ph.D.プログラムへ合格し、この秋から医学生です。将来が楽しみです。右:Edgerton教授と教授に頂いたラボの卒業証書と私。

 

留学期間中は、UCLAキャンパスの南にあるWestwoodと呼ばれる地区に滞在していました。月曜から金曜までは朝7時頃起床し、8時までに小学校に登校する長女と一緒に朝食を取り、8時30頃に出勤して実験や論文執筆、午後6時から7時頃に帰宅します。たまに5時頃に帰宅すると、娘にせがまれて自宅のプールで水泳を教える事もありました。

週末はいわゆるロサンゼルス (LA) の観光名所巡りをする事が多かったのですが、後半になるとLAで出来た友人たちの家族でホームパーティーをするようになり、バーベキューしたり手作りピザや自家製生パスタなどを持ち寄ってカリフォルニアワインを楽しんだりする事が多かったように思います。サンタモニカビーチにパラソルを立ててのんびり過ごす事もありました。

 

写真2. 自宅前の道路。奥に進めば車で5分でビバリーヒルズやロデオドライブ、左に進めば徒歩15分でUCLAの職場、右には小学校と、利便性の良さで住む場所を決めました。

 

写真3. UCLAに勤務する友人宅のプールサイドでBBQ。

 

写真4. Cedars-Sinai Medical Centerに勤務する友人とサンタモニカビーチでのんびり過ごす週末。

 

写真5. 特徴あるビーチ群を散策するのも楽しかったです。写真はベニスビーチにある、海が見えるスケートボードパーク。上級者の技を見に来る客も。

 

アメリカならではのサンクスギビングには七面鳥パーティー、ハロウィンには娘の小学校でパレードがあった後夜はトリック&トリート等、イベントも数多くありました。

 

写真6: 日系三世の先生によるサンクスギビングの七面鳥解体講座。

 

写真7. 左:ハロウィンの日は小学校にコスプレで登校。担任の先生はミッキーマウスに変身。中: ハロウィン仕様となった近所の家。右: 夜は庭に白骨やゾンビが転がる家々にお菓子をもらいに繰り出しました。

 

LAにはプロスポーツチームが多く集まっており、私もドジャース(プロ野球)、レイカーズ(バスケ)など観戦に行きましたが、エンゼルスにあの二刀流・大谷翔平選手が移籍してからは短い期間で2度ロサンゼルス・エンゼルス オブ アナハイムの試合を見に行き、その2度とも大谷選手の先発試合でした。初めの試合は大谷選手にとってホーム初先発となる試合で、12奪三振を奪う快投でチームも勝利し最高の試合でした。2度目は投球内容も悪く右肘靭帯を損傷してしまった試合でしたが、どちらも記憶に残る思い出深いゲームとなりました。

 

写真8. マウンド上には大谷翔平選手。7回途中まで完全試合ペースの快投!チケット代は同じLAのドジャースよりも安い。

 

UCLAで毎年行われる、TED形式のプレゼンテーション大会「TED x UCLA」に出席しました。学内の様々な分野のスタッフ・学生が我こそはと自分の主張を皆に聞いてもらう場で、テーマも環境問題におけるバタフライ効果・人種と職の問題・一芸を極める事の重要性・ダンスが自閉症の人に与える力、など様々で、異分野の話に刺激されて良い経験になりました。

 

写真9. 上:TED x UCLA等が催されるUCLAのRoyce Hall.下: TED x UCLA。超満員でした。

 

長女の小学校が休みになるタイミングに、時々旅行にも出かけました。留学直後に行ったYosemite National Parkがとても素晴らしく、その後多くのNational Parkへ行きました。また、National Parkなどを巡っていると必ずRV car専用キャンプ場があるので興味が湧き、レンタルして出かけてみる事もありました。中は家族4人が普通に生活できる十分なスペースがあり、冷蔵庫、コンロ、シャワー、トイレ、ベッドが3台、テーブル、TVなどを備え、運転さえ慣れてしまえばとても快適です。アメリカではどこにでもRV parkがあり、電気、水の供給ライン、生活排水ラインさえ繋げば、たいていの病院の当直室より快適に過ごせました。

 

写真10. 左上: マリブビーチを臨むRV park。慣れないRV carでトラブルがありましたが、隣の宿泊客が助けてくれました。右上: Zion National Park. 左下: Arches National Park.下中:Yellow Stone National Parkの約50mのOld Faithful間欠泉。右下:California Pacific Coast Highway沿いにある景勝地、Big Sur.

 

 

2018年4月に同門の原正光先生が後任として同じラボに留学し、データや実験手法を引き継いで私は今年6月末に留学を終え、現在は総合せき損センターで大変充実した研修を送らせて頂いていますが、今でもアメリカの思い出がフラッシュバックします。それほど、公私ともに感動的な経験ができた留学でした。

このような素晴らしい留学の機会を与えて下さった中島康晴教授、岩本幸英名誉教授、留学に関して多くのアドバイスを下さった岡田誠司教授(九州大学生体防御医科学研究所)、お力添え頂いた全ての先生方にこの場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。