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脆弱性大腿骨近位部骨折の高齢患者におけるGeriatric Nutritional Risk Indexによる長期生命予後予測について

九州北部地区における多施設共同前向きコホート研究

協力施設:九州大学、唐津赤十字病院、JCHO九州病院、製鉄記念八幡病院、福岡赤十字病院、九州医療センター、好生館、飯塚病院、福岡市民病院、九州中央病院、九州労災病院、浜の町病院、佐田病院、原三信病院、済生会八幡総合病院、古賀病院21、福岡東医療センター

骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折は対側の骨折(二次骨折)を起こすことと、生命予後を悪化させることが知られています。

北部九州地区にある17の関連施設で2013年3月から2016年3月までの期間に股関節脆弱性骨折の治療を行った、60歳以上の合計1294人の患者に対する前向き観察研究を行い、最終的に623人に対して調べることができました。

入院時の栄養状態に着目し、Geriatric Nutritional Risk Index(GNRI)による生命予後を調査しますと、高リスク群(GNRI<82)と中等度リスク群(GNRI82-91)で低リスク群(GNRI92-98)と無リスク群(GNRI>98)よりも有意に長期予後不良であることが分かりました。

長期生命予後不良に影響を及ぼす因子を調査し、入院時のGNRIが低いこと、骨粗鬆症薬を内服していないこと、退院時の日常生活動作(Barthel index)が低いことが挙げられました。また二次骨折の危険因子は低いBody Mass Indexであることが分かりました。

多施設共同研究により脆弱性大腿骨近位部骨折の長期生命予後の予測因子を解明でき、栄養状態と日常生活動作を改善させることが重要である可能性を本研究で示唆することができました。

本研究は以下の医学雑誌に掲載されました。

Geriatric nutritional risk index as the prognostic factor in older patients with fragility hip fractures.

Tsutsui T, Fujiwara T, Matsumoto Y, Kimura A, Kanahori M, Arisumi S, Oyamada A, Ohishi M, Ikuta K, Tsuchiya K, Tayama N, Tomari S, Miyahara H, Mae T, Hara T, Saito T, Arizono T, Kaji K, Mawatari T, Fujiwara M, Takasaki M, Shin K, Ninomiya K, Nakaie K, Antoku Y, Iwamoto Y, Nakashima Y.

Osteoporos Int. 2023 Apr 17. doi: 10.1007/s00198-023-06753-3.

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