人工膝関節(TKA)では術後中間屈曲位での不安定性が臨床成績に影響するとされています。DePuy Synthes社のAttune knee systemは大腿骨コンポーネント顆部矢状断の曲率半径がgradualに低下していくデザインであり(図左)、従来のdual radius TKAと比較して膝屈曲角度全体にわたって安定的な前後移動が示される可能性があります。本研究では九州産業大学との共同研究とし
Bi-cruciate stabilized (BCS)型人工膝関節(TKA)は前・後十字靭帯の機能を再現するdual post-cam mechanism、非対称性のコンポーネント形状、内側凹面・外側凸面かつ3度内方傾斜をbuild-inしたポリエチレンインサート、などの特徴を持ったインプラントです。本研究では、イメージマッチング法を用いてBCS TKA (JOURNEY II)術前後の動態解析
Berg balance scale(以下BBS、図)は、14項目からなる身体バランス機能の評価方法で、様々な疾患で幅広く使用されています。スコア合計56点満点で、45点以下では転倒のリスクが増加する報告されています。TKA前後で評価したところ、45点以下の割合は、術前から術後で有意に改善していましたが、10%で術後も転倒リスクが高い状態が残存していました。術後BBS低値の影響因子を調査したところ
高度内反症例においてConstrained TKAを使用することがあります。大腿骨骨切り手技は、ステム位置を確定させ、それをもとに骨切りとコンポーネント位置の微調整を行うものが一般的ですが、前方ノッチ形成および内外側の設置バランス不良の可能性、オフセットステムの使用など、しばしば煩雑な手技となりえます。そこで、大腿骨骨切り手技を通常のTKAと同様に途中まで行い、内外側の設置を調整し、その位置にあわ
全下肢Xpを用いたTKAの術前計画では下肢の回旋や屈曲拘縮、大腿骨の前弯や外弯により計測値に誤差が生じます。下肢の回旋、屈曲拘縮を想定した擬似Xpを作成し、大腿骨遠位外反角計測をsimulationしました(図)。大腿骨遠位外反角は下肢外旋位, 屈曲位でより増大し、計測値は内反膝で平均1.5°、外反膝で1.1°変動しました。また大腿骨前弯>12°の症例は下肢の回旋や屈曲拘縮で計測値が2°以上
内側開大式高位脛骨骨切り術(OW-HTO)では、MCL浅層の解離が必須です。MCL解離直後は内側が緩むが、骨切り部開大後は術前と同等になるとの報告がある一方、内側がややタイトになるという報告もあり、術前後における内側laxityの変化を定量的に検討した報告は限られていました。本研究では、OW-HTO前後における内側laxityの変化について定量的に検証し、その影響因子や臨床成績との関連などを調査し
術前CTから正面、5、10°内外旋させた全下肢DRR画像を作成し、各々について術前計画を行いました(図)。%MA、Medial proximal tibial angle (MPTA)は、外旋から内旋につれ漸増していました。開大角度は漸減していましたが、10度程度までの内外旋であれば、その影響は1度未満でした。開大角度変化量は膝屈曲角度と強い相関を認め、1°以上の症例では10°以上の膝屈曲肢位を伴
HTOでは、立位におけるjoint line convergence angle(JLCA)は術前後で変化する症例を認め、術前立位で計画した矯正角ではover-correctionとなることがあります。術前の立位もしくは仰臥位におけるJLCAは、膝内反モーメントや膝周囲laxityなどの複数因子が影響し、それらの程度は症例によって様々です。本研究では、術前立位時の膝内反モーメントを減じる効果を期待