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軟骨変性と軟骨分化におけるForkhead box O(FOXO)転写因子の機能解析

概要:

長寿遺伝子として知られるForkhead box O(FOXO)転写因子は、線虫からヒトまで高度に保存されており、オートファジー・DNA修復・細胞周期停止・細胞死などを調節して細胞の恒常性を維持しています。OAの軟骨細胞では、FOXO転写因子の機能が低下しており、オートファジーを介した酸化ストレスに対する抵抗性が低下する原因であることを明らかにしました。FOXOノックアウトマウスでは、成長軟骨の異常を認め、早期のOA変化を呈します。そのため、軟骨分化過程においてもFOXO転写因子は重要な役割を担っており、その機能解析を行いました。

具体的内容:

TGFβ1シグナルによる軟骨分化において、FOXO転写因子は、SOX9の発現に加え、細胞周期停止を制御し、軟骨分化に必須の転写因子であることを報告しました(Kurakazu et al. Journal of biological chemistry 2019)。マウスATDC5細胞株、マウス肢芽由来間葉系細胞、ヒト間葉系幹細胞を用いて、TGFβ1/SMADシグナルがFOXO1の発現および活性を促進することを明らかにしました。さらに、FOXO転写因子のOA軟骨に関連した新しい知見として、TGFβ1シグナルによるFOXO転写因子の制御とOA軟骨細胞におけるそのメカニズムを報告しました(Kurakazu I et al. Osteoarthritis and Cartilage 2021)。

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