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骨粗鬆症大腿骨近位部骨折の多施設共同研究

概要:

九州大学整形外科の関連病院による共同研究として、九州大学病院広域ネットワーク型臨床研究システム(CRIN-Q)を使用した北部九州における骨粗鬆症性大腿骨近位部骨折(FHF)の大規模データベースを構築し、約1200例に及ぶ症例が登録し、継続して経過観察を行なっています。

具体的内容:

現在、集積されたデータを用いて、FHF後の死亡リスクを、栄養状態を表す指標であるGeriatric Nutritional Risk Index(GNRI)の観点から検討しました。平均観察期間は4.0年でり、入院時の平均年齢は82歳(範囲60-101)、。FHF後の全生存率は1年91%、5年62%でございました。また、二次性のFHFの発生率は1年4%、5年22%に達していました。多変量Cox比例ハザード解析の結果、GNRIの高リスクおよび中リスクの患者では、全生存率が有意に低い事がわかりました。(p<0.001)。全体としては、高齢、男性、低いGNRIスコア、合併症、および低い活動性が、FHF後の死亡のリスク因子であることがわかりました。(Tsutsui et al., submitted)このことから、FHF予防には骨粗鬆症の治療に加え、良好な栄養状態を維持し、いわゆるフレイルそのものを改善させる必要があることが明らかとなりました。 ようやく全例で予定の経過観察期間を終了し、今後も引き続き成果を発信していく予定です。

 

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