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骨巨細胞腫の発生メカニズム、抗RANKL抗体への反応性に関する解析

具体的内容:

骨巨細胞腫は中間悪性に分類される骨腫瘍です。現在有効とされている治療法は外科的掻把・切除に加え、denosumab(ランマーク®)の投与があります。Denosumabはreceptor activation of nuclear factor κB ligand (RANKL)に対するモノクローナル抗体であり、骨巨細胞腫の骨化を誘導する効果があります。しかし、①「denosumab投与による骨化の程度は症例により異なる」、②「術前にdenosumabを投与した症例は外科的掻把・切除後の再発率が高い」ことが臨床上の疑問となっています。

私たちはこれまでに骨巨細胞腫の骨化にはβ-cateninの核内移行が必須であること、また、投与前のβ-cateninの核内移行率がdenosumab投与による骨化の程度と相関することを突き止め、これらの研究結果を報告しました(Kimura A, Matsumoto Y, et al., Sci Rep., 2022、図参照)。現在、denosumab投与と術後再発の因果関係を明らかにすべく、denosumab投与症例と非投与症例の遺伝子発現の網羅的解析を進めており、より成績の良い治療法の開発を目指しております。

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