TOP - 研究紹介 - 関節リウマチにおける関節浸潤T細胞の機能/分化機構の解明
関節リウマチにおける関節浸潤T細胞の機能/分化機構の解明

具体的内容:

関節リウマチの病態には免疫細胞の一つであるT細胞が深く関わると考えられていますが、実際にどの様な役割を果たしているのか十分わかっていません。関節炎モデルの動物実験から、T細胞の中でもIL-17というサイトカインを産生する、Th17細胞が特に重要と考えられていましたが、私たちはヒトの関節にはTh17細胞はほとんど存在せず、代わりにIFN-gを産生するTh1細胞が多いことを発見しました(Yamada H, Ann Rheum, Dis, 2008, Yamada H, J Rheumatol, 2011)(図1)。この研究結果の重要性は、その後ヒト関節リウマチではIL-17阻害療法が無効なことが判明し確認されました。一方最近、関節リウマチ患者さんの関節中で、末梢性ヘルパー(Tph)細胞と呼ばれるT細胞が増加していることが明らかになりましたが、私たちはこれらTph細胞が、TNF-aやGM-CSFなどの炎症性サイトカインを産生する能力をもつこと、自己成分に反応することを見出しています(Sakuragi T, J Immunol, 2021)(図2)。現在はTph細胞が分化する機構を解明することで、この制御による新規治療法の開発に挑んでいます。

図1、図2

 

関節リウマチに戻る
error: Content is protected !!