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リバース型人工肩関節全置換術(RSA)におけるbaseplate pegの至適設置位置

RSAは腱板断裂性関節症や一次修復不能な広範囲腱板断裂に対して有効な治療法で、RSAにおけるインプラントの設置位置は良好な術後成績を得るために非常に重要です。
特に、肩甲骨におけるbaseplate pegの設置においては、肩甲骨頚部は関節窩から内側に向かって細くなる解剖学的特徴を有するため、baseplate pegを挿入できる安全域は非常に狭くなります。Baseplate pegの骨外への逸脱はインプラントの緩みや肩甲上神経損傷のリスク因子であり、baseplate pegは肩甲骨頚部内に設置する必要があります。

本研究では、腱板断裂性関節症や一次修復不能な広範囲腱板断裂症例のCTデータとplanning softwareを用いて、baseplate pegの設置を関節窩長軸より2mm前方(A2群)、1mm前方(A1群)、長軸上(C0群)、1mm後方(P1群)、2mm後方(P2群)の5群に分類し、シミュレーションを行いました(図1)。baseplate pegが骨外に逸脱することなく、肩甲骨頚部内に設置された症例を非逸脱例と定義し、各設置位置における非逸脱率を評価しました。その結果、baseplate pegは、関節窩の長軸より前方に設置することで骨外への逸脱リスクが最も軽減されることが示唆されました(Tashiro et al., Int Orthop 2022)。

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