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全下肢長尺撮影条件による下肢アライメント計測値の精度

全下肢長尺画像は、骨切り術の術前計画では矯正角の計測、またTKAの術前計画では大腿骨骨切り時の外反角などの計測に使用されます。その撮影法の一般的なものは、Orthoroentgenogram(スポット撮影)とTeleoroentgenogram(ワンショット撮影)があります(図1)。本研究では、HKAA・下肢長・%MAの真値が既知である被写体を作成し、様々な撮影条件のXp画像上での計測値の誤差を検討しました。九州大学病院放射線部門との共同研究になります。結果は、Teleoroentgenogram(ワンショット撮影)では、撮影距離や被写体厚に関係なく、正確なHKAAと%MAが計測されました(図2A)。一方、下肢長の計測ではOrthoroentgenogram(スポット撮影)の方が正確でした(図2B)。骨切り術やTKAにおける角度測定の際には、Teleoroentgenogram(ワンショット撮影)の方が被写体の真値をXp画像上の計測値として得ることができると結論付けました(Takakura K, Akasaki Y et al. J Orthop Sci 2021)。

図1: Teleoroentgenogram(ワンショット撮影)とOrthoroentgenogram(スポット撮影)

 

図2A: Teleoroentgenogram(ワンショット撮影)では、正確なHKAAと%MAが計測された

図2B: Orthoroentgenogram(スポット撮影)では、正確な下肢長が計測された

 

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