人工膝関節（TKA）では術後中間屈曲位での不安定性が臨床成績に影響するとされています。DePuy Synthes社のAttune knee systemは大腿骨コンポーネント顆部矢状断の曲率半径がgradualに低下していくデザインであり(図左)、従来のdual radius TKAと比較して膝屈曲角度全体にわたって安定的な前後移動が示される可能性があります。本研究では九州産業大学との共同研究としてイメージマッチング法を用いてgradual radiusとその他機種の膝関節三次元動態解析を行い(図右)、Attune knee systemでは、前後位置のばらつきが患者間・動作間で共に小さい、安定的な前後移動が得られており、臨床成績も良好であったことを報告しました（Ushio T, Hamai S, et al. J Orthop Sci 2021）。

図：大腿骨コンポーネント顆部がgradualに低下していくデザイン(左)、イメージマッチング法を用いた膝屈曲動作時の三次元解析(右)