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前方回転骨切り術(ARO)前後の起立動作時における3次元的健常部占拠率の変化

座位およびしゃがみ姿勢からの起立動作時における三次元的な健常部占拠率の動的変化を、ARO前後の骨頭壊死股で動態解析を行いました(図)。寛骨臼月状面に被覆される骨頭面積に占める骨頭健常部の面積の比を被覆ベースの三次元健常部占拠率(IRLC)、動作中におけるpeak force vector円柱が通る骨頭面積に占める骨頭健常部の面積の比を力学ベースの三次元健常部占拠率(IRFV)として、その動的変化を解析しました。その結果、術後IRLCは屈曲で有意に減少しているものの、術前より有意に改善し、術後IRFVは術前からの有意な改善に加え、動作中に有意な変化を認めず十分な値を維持できておりました。また、骨頭の外上方における三次元健常部占拠率、単純X線での健常部占拠率、Harris Hip ScoreがIRLC、IRFVと有意に相関しておりました。米国フロリダ大学留学中における共同研究の成果として報告しました(Hara D, et al. Clin Biomech 2021)。

図:IRFVの模式図。Peak force vector円柱が通る骨頭面積に占める骨頭健常部の面積の比を動的に解析した結果、ARO後は深屈曲中にも強い応力がかかる部位には十分な健常部占拠率が確保できていました。

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