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THA術後の患者満足度、筋力と身体活動度の評価、TOA術後との身体活動度の比較

THA後患者285名を対象に満足度を調べた結果、95%の方が手術に満足しており、約半数(48%)の方では非常に高い満足度が得られていました。統計解析の結果から、より高い満足度には日常生活やスポーツにおける活動性の向上が有意に関係していました。第138回西日本整形・災害外科学会学術集会の特別企画学生セッションにて報告し、Excellent presentation awardを受賞しました(兪 鶴揚[九州大学医学部4年]ら)。また、客観的な定量評価である筋力と活動量(歩数)は、主観的なスコア(Oxford Hip Score: OHS)、更には術後満足度との関連を認めました。更に、OHSは31%がスコア上限(天井効果)を示しており、ある程度活動性が高い症例の客観的な定量評価には活動量計が有用(ActivPAL、図1)であることが明らかとなりました。筋力と活動量計による客観的な評価は、術後リハビリや生活指導を通じて, THA術後の更なるQOL向上につながることが期待されます(Fujita T, Hamai S, et al. J Phys Ther Sci 2022)。

変形性股関節症に対する手術として人工関節置換術(THA)と骨切り術(TOA)があり、どちらも良好な成績が報告されています。治療成績向上に伴い、術後活動性向上への期待も高まっており、これら手術の活動性をより詳細に評価することが重要となっています。活動量計を用いて股関節手術後患者の身体活動度(図2)を測定し、主観的活動度が同程度であるにも関わらず、THA患者に比べTOA患者で1日当たりの歩数が多く(THA;平均6400歩、TOA;平均8000歩)、術式の違いが術後客観的活動度に影響を与える可能性が示唆されたことを報告しました。現在、術前から術後にかけての身体活動度を経時的に調査する研究に取り組んでいます(第38回整形災害外科学研究助成財団研究奨励賞、Shiomoto K, Hamai S, et al. J Arthroplasty 2022)。

図1

 

図2

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