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3次元ソフトを用いた可動域シミュレーション

3D-CADソフトを用いTHAの術後可動域に関するシミュレーションを行っています。THAの術後脱臼に影響を及ぼす重要な因子としてインピンジメントがあり、図1のように骨同士やインプラント同士、もしくはインプラントと骨とのインピンジメントまでの角度を可動域と定義します。日常生活に必要な可動域を満たすための、インプラント設置の条件を明らかにすることを目的としています(Komiyama K, Nakashima Y, et al. J Arthroplasty 2016)。DDH患者に対するTHAでは、cupの骨性被覆を増加させるために高位設置が必要となる場合がありますが、cupの後方設置については骨性被覆を増加させるものの可動域が低下することを報告しました(Sakemi Y, Nakashima Y, et al. J Orthop Sci 2018)。このようなシミュレーションは、実際の手術手技へのフィードバックなどに役立つことが期待できます。THA術後CTを用いて可動域シミュレーションを行い(図2)、インピンジメントのない最大仮想可動域を計測し、日常生活で要求される可動域(required ROM)を満たす至適インプラント設置条件を調査しました。結果、Combined Anteversion(CA)の範囲内に設置すればrequired ROMを満たしており、CA techniqueが有用であることを報告しました(Harada S, Hamai S, et al. Clin Biomech 2022)。

図1

 

図2:術後CTを用いた可動域シミュレーション(例:屈曲)

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